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唄者・森田照史さん

 昭和20年名瀬市生まれのこの唄者は、私の同級生の森田武夫さんの息子さんでもあります。彼は島唄を幼少よりはじめ、笠利(かさん)唄の大御所である山田フデ、南政五郎上村藤枝さんに師事し、名瀬市大正寺で6歳で初舞台を踏んだほど、芸歴の長い唄者なのです。
彼は、昭和47年にセントラル楽器主催で行なわれた【実況録音・奄美民謡大会】に最年少で参加して、ベテラン唄者に混じってレコーディングをしました。笠利唄と言われる北大島地域の島唄と、東(ひぎゃ)節と言われる南大島地域の島唄・両方を器用にこなす数少ない貴重な存在の唄者でもあります。

 彼の島唄カセットテープ制作のためのレコーディングをした際、その三線の見事さに、カラオケとして、BGMとして聴いて頂けたらと、三線だけのCDも作り上げました。
 彼は島唄の解説をはじめ、奄美の祭事に熟知した、たいそうな博学の持ち主です。島唄だけではなく、八月踊りなどでも重要な担い手で、奄美文化センター主催の【奄美の唄あしび】では、笠利町喜瀬(きせ)集落の唄や踊りで山田薫先生と共に皆をリードして中心的な役割を果たしました。

 現在、東京で島唄活動を行っていますが、根っからの風来坊で、突然奄美へ戻ってきたかと思えば、すぐにまた何処かへ行ってしまうといったなかなか忙しい男です。天衣無縫な人柄で、日本の各地に奄美島唄の種をまき続けることでしょう。

島サンシンによる奄美島唄の世界CD収録曲
笠利(かさん)節
朝花(あさばな)/俊良主(しゅんりょうしゅ)/黒だんど/花染め/らんかん橋
野茶坊(やちゃぼう)/上がれ日ぬはる加那/請けくま慢女(まんじょ)
太陽(てだ)ぬ落てまぐ/芦花部(あしけぶ)一番/ヨイスラ
行きゅんにゃ加那/徳ぬさみ岳/こうき
糸くり/長雲/曲がりょ高頂(たかちぢ)/イトゥ
東(ひぎゃ)節
朝花/金かぶぐゎ/正月着物(しょうがつぎん)/塩道(しゅみち)長浜/稲すり
(全23曲)

【森田照史傑作集カセットテープ収録曲】
朝花/黒だんど/長雲/らんかん橋/行きゅんにゃ加那/糸くり/諸鈍(しょどん)長浜/芦花部一番
長朝花/花染め/野茶坊/でんなご/ヨーカナ/徳ぬさみ岳/請けくま慢女/上がれ日ぬはる加那
(全16曲)