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大人青年(ふっちゅねせ)

まえがき

私は徳之島の亀津に生を受け、鹿児島市内で幼児期を過ごし、その後の人生の大半を奄美大島の名瀬市(現在の奄美市)で過ごしてまいりました。

奄美群島日本復帰50周年の2003年は、私たちの世代が精一杯生き抜いてきた半世紀の節目の年でもありました。
この戦後の混乱期、祖国から分断され米軍の統治下に置かれた特殊な世界で、しかし、そんな時代だったからこそ皆が己の足元を見つめ直し、後に「奄美ルネッサンス」と呼ばれたほど多くの文化活動が行われていったのだと思っています。
また、人々が、不思議なほど元気に日々を生きていた期間でもありました。

私自身を振り返ってみて、本当に道楽か商売かわからない様な半生を過ごしてきたものの元気いっぱいな時期でした。
そして、50年も前に奄美各地で模型飛行機を飛ばした事や、神社の石段をオートバイで登りきって参拝した事、血気盛んな連中で徒党を組んでオートバイの遠乗りをした事などを思い出深く語ってくださる方々がいらっしゃいます。
当時の明るいエピソードとして島民のみなさんの心に残っているのなら、それもまた、良しとしましょう。



著者:指宿 良彦(いぶすき よしひこ)プロフィール

・大正14年(1925年)2月13日
鹿児島県大島郡徳之島町亀津生まれ

・昭和24年(1949年)
(株)セントラル楽器創業

昭和26年(1951年)
島唄レコードの販売開始

昭和31年(1956年)
奄美島唄・新民謡レコードの製作開始

昭和51年(1976年)
名瀬市長表彰(奄美民謡の普及・伝承に尽力)

昭和56年(1981年)
奄美大島社会教育振興会長表彰(音楽の普及活動)

平成11年(1999年)
第23回南海文化賞の受賞
(教育・文化部門での奄美のシマ唄、新民謡等の伝統音楽の普及・伝承に貢献)