島唄の効能
ハナたれで寝小便たれで泣き虫だったという少年が、後に明治維新のお膳立てをした坂本竜馬だ。
これは、彼の母や姉が「お前は大物になるよ」と、言い続けた結果だ。
ことほど左様に言葉にはパワーがある。
言葉のことを「言霊ことだま」というが、奄美でもその持つ霊力を信じればこそ、そう呼んだ。
やさしい、母の言葉。
力強い、父の言葉。
言葉は、人を生かしもすれば殺しもする。
奄美の島唄は、癒しのメッセージだ。
何者かが憑依したようなオーラを発する唄者が、老若男女の別なく存在する。
それは、きっと選ばれた者なのだろう。
無垢な聴衆のために彼らは歌う。
そんな時の唄者はまさしく神だ。