島唄は改造車

奄美島唄に「塩道長浜(しゅみちながはま)」という曲があります。
とても哀愁のある、南部大島の歌のひとつです。
これを、マスターしようと数人の唄を聴いてみました。
・・・・・・そうしたら!
歌えなくなってしまったのです。
理由は、「曲げ」のせいです。
島唄は、唄者によって歌詞の曲げが違っているのです。
曲げとは、歌詞の区切り。
(例)さいた さいた ちゅーりっぷのはなが の歌詞を、
   さーい たさい たちゅーりっぷのはー という風にとにかく改造しちゃう。

塩道長浜も下記のごとく、人それぞれで迷うばかり。
①ハレイー しゅみちーなー がーーはーまー
②ハレイー しゅーみーちー なーがーはーまー
③ハレイー しゅーみちなー な・がーはーまー
ハレイー いーかげんにしてくれっ!!!
自分流に作り変えて良いのですねエ、島唄は。

まるで、改造車の品評会みたいでしょう?  

吉永武英、武下和平、勝島徳郎、元ちとせ、大島ひろみ、西和美、坪山豊、牧岡奈美、貴島康男とそれぞれが、個性的な塩道長浜節を歌っています。
だから、これだけ長く愛唱されてきたのです。
今後も、新しい歌唱が生まれ続けることでしょう。だから、島唄!

<奄美島唄コラム | 唄は半学>