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奄美新民謡LDカラオケ制作

 以前から、奄美新民謡の普及のためにもカラオケを作りたいとの構想はありましたが、ようやくレーザーディスク式のものが完成しました。
 曲の監修を村田正男さん(村田実夫 実弟)にお願いしました。その後、東京の(株)ビクターエンタテインメントで編曲をし、ビクターオーケストラの演奏に渡久地政信(とくちまさのぶ)先生が指笛を加えたり、囃子の指導をしたりして仕上げました。


続きは下記書籍「大人青年」よりどうぞ
大人青年


レーザーディスクは、1集・2集に、各15曲を収録しています。

【奄美新民謡ベスト15・第1集収録曲】
島育ち/はたおり娘/島かげ/新北風(みいにし)吹けば
奄美のさすらい千鳥/月の白浜/アダン花
永良部(えらぶ)百合の花/忘れられない故郷(しま)
紬(のの)まつり/稲すり節/徳之島小唄
新野茶坊(しんやちゃぼう)/島むすめ/奄美音頭
(全15曲)※廃番

奄美新民謡LDカラオケ
奄美新民謡ベスト15・第2集収録曲
夜明け舟/本茶峠(ふんちゃとうげ)/想い出の喜界島
農村小唄/磯の松風/奄美小唄/島のブルース/大島小唄
名瀬セレナーデ/奄美三美女伝/そてつの実(なり)
別れの恋唄/島ちいもれ
灯りに濡れる名瀬の街/奄美はぶまつり
(全15曲)

敬老音頭

 10月に録音時間の短い【敬老音頭】という名のカセットテープを発売しました。収録した曲は、【敬老音頭】【ワイド節】【六調】【天草】の4曲です。唄者は、順に当原(とうはら)ミツヨ坪山豊、当原ミツヨ、南政五郎(みなみまさごろう)さんとなっています。
 
 【敬老音頭】は、当時、大島高等学校の美術を担当していらっしゃった喜界島出身の【片倉輝男】先生が作曲なさった曲で、絶頂期の当原ミツヨさんの唄声で収録しました。毎年、9月の敬老の日が近づくとこの製品が動き出します。島唄製品の中で季節を感じさせる逸品です。

【敬老音頭カセットテープ収録曲】
敬老音頭
ワイド節
六調
天草
(全4曲)

官能的!石岡春代さんの島唄

 私はかって、このような島唄を聴いた事が一度もありませんでした。
 唄者に必要な条件は、純粋な奄美の方言、正確なメロディ、個性的な歌唱、多くのレパートリー、魅力的な声といったものですが、その方の声は、なんとも官能的でした。その素晴らしい声の持ち主は、名瀬市朝仁ご出身の石岡春代さんでした。

 こういった感覚的なものを文章で表現することは大変難しいのですが、
「肉を食べるのなら、腐りかけが一番旨い」
というセリフを聞いた事はありませんか?
 ちょいときわどい言い回しになりましたが、石岡さんの島唄は、声が柔らかくて大変ムードがあるのです。発せられるこの色気も過ぎると下品になりかねませんが、その一歩手前であって、それがなんともたまらないのです。

 彼女は昭和58年から62年までほぼ毎年奄美民謡大賞に出場し、そのつど青年の部でKTS賞を受賞するという安定した実力の持ち主でもありました。彼女の【くるだんど節】は、最高にぞくぞくっときました。8月11日から23日までかけて録音をしました。相方は中田和子さん、三線は阿世知幸雄(あせちさちお)さんです。

石岡春代傑作集【石岡春代傑作集カセットテープ収録曲】

朝花/くるだんど/とらさん/ちょうきく女
糸くり/かんつめ/請けくま慢女
行きゅんにゃ加那/ヨイスラ
しゅんかね/あんちゃんな
マンコイ/らんかん橋/むちゃ加那/長雲
(全15曲)

【石岡春代 思いぬかなしゃ CD収録曲】
石岡春代傑作集CD
朝花/行きゅんにゃ加那/とらさん長嶺
かんつめ/ヨイスラ/しゅんかね
らんかん橋/むちゃ加那/長雲/くるだんど
徳之島/渡しゃ/糸くり/正月着物
いそ加那/塩道長浜/曲がりょ高頂
(全17曲)

唄者・坪山豊さん

 坪山豊さんは、島唄を歌う時、【かんつめ節】なら悲哀を込めてとか、【ワイド節】なら勇壮にという風に曲のイメージをふくらませ、それからおもむろに歌いだす方です。島唄は、「勝手唄」という持論を持ち、録音の最中でも、ぱっと閃いたら、歌詞を変えたりして積極的に取り組んでいらっしゃいました。


続きは下記書籍「大人青年」よりどうぞ
大人青年

 
 今までに制作した彼のCDは3枚で、それぞれが、特徴のある作品に仕上がっています。

1.古典的な島唄を集めた【余情の唄者】
唄者・坪山豊

あさばな/長あさばな/俊良主(しゅんりょうしゅ)
くるだんど/やちゃ坊/くばぬ葉/雨ぐるみ
らんかん橋/いそ加那/むちゃ加那
かんつめ/稲摺り/シュンカネ/豊年節
曲がりょ高頂(たかちぢ)/長雲/上がれ世ぬはる加那
長浜/昔くるだんど/ちぎょい浜岳
送り節/嘉徳(かどく)なべ加那/一切(ちゅっきゃり)あさばな
渡しゃ/ワイド節
(全22曲)

 当社へご来店なさったお客様から
「ばしゃやま節のテープをください。」
などと耳慣れない曲名を尋ねられ、対応に困った事がありました。よくよく話を聞いてみると彼らは、坪山豊ファンでした。坪山さんは、多くの新作島唄を作ってはイベントで歌っていらっしゃったのです。それで、これらをCDで残しましょうと声をかけ、ご多忙な中、録音を行いました。
「宇検村は唄袋(唄の宝庫)だ。」
という坪山さんの言葉からCDのタイトル名が生まれました。

2.新作島唄を収録した【唄袋の島から】収録曲
ファイル 94-2.jpg

綾蝶節(あやはぶらぶし)/砂糖(さた)つくり節
後悔(クゥクェ)/ばしゃやま節/永良部(えらぶ)の子守唄2/晩酌(だるやめ)ぐゎ
眠れよ いまじょ/ワイド節1
うらとみ/旅や浜宿り/アダンの画譜
餅貰/味じまん/天ぬ白雲/ワイド節2
(全15曲)
ロックバージョンのワイド節なども加え、楽しく録音が出来ました。

 坪山豊さんの録音を行なった際、唄と三味線のバランスを取るのに難儀した事がありました。
唄に集中すると三味線伴奏がおろそかになり、三味線に集中すると歌詞を間違えたりするのでした。
「いっそ、三味線でカラオケを作って、それに合わせて唄ってみてはどうでしょう?」
 録音担当の私の次男がそのような提案をしましたが
「三味線は、あくまでも唄に付けて演奏するものだから、頑張ってみますネ。」
と、あっさり却下されました。

 そんな坪山さんの意に反して作ったのが、次男が言うところの
「邪道・ウルトラ・スーパー・デラックス・博愛一路の島唄カラオケCD。」
です。彼は、島唄を歌いたくても三味線が弾けない方のための必要悪なのだと居直って言いました。
 
 ちなみに、このCDは、以前制作したカラオケテープの再編集盤です。

3.島唄のカラオケ盤【奄美の唄あしび】収録曲
ファイル 94-3.jpg

あさばな/俊良主(しゅんりょうしゅ)/くるだんど
糸くり/とらさん長嶺(ながね)/やちゃ坊
塩道(しゅみち)長浜
綾はぶら/かんつめ/曲がりょ高嶺(たかちぢ)/むちゃ加那
(全22曲・唄とカラオケ各11曲)