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要 栄さんと島唄カラオケ

 龍郷町戸口(とぐち)出身のさんは、録音を行なった頃は大阪で島唄の教室を開いていて、生徒さんの練習用にカセットテープが欲しいとの依頼があり、制作しました。内容は、奄美島唄の三線演奏によるカラオケ曲集です。島唄のカラオケ化については、以前から賛否両論があり、私もその時々によって、肯定派になったり、反対派にまわったりと忙しいものです。三線伴奏は、唄に付けるために行うべきで、カラオケのように歌い手が伴奏に追従するという愚は、正直避けたいところです。三線を弾ける者が少ないのが、その原因ですから、絶対数を増やすことがベストでしょうか?

要 栄 島サンシンの世界カセット収録曲
朝花(あさばな)/俊良主(しゅんりょうしゅ)/花染め/やちゃ坊/らんかん橋
上がれ世ぬはる加那/徳之島ちゅっきゃり節
請けくま慢女(まんじょ)/太陽(てだ)ぬ落(う)てまぐれ/くるだんど
シュンカネ/芦花部(あしけぶ)一番/ヨイスラ/うんにゃだる
いゅんめやんみ/かんつめ/ヨーカナ/嘉徳(かどく)なべ加那
(全18曲)

唄者・森山ユリ子さん

 森山ユリ子さんは龍郷町中勝(なかがち)のご出身で、【奄美民謡大賞】など、島唄コンクールやイベントなどでのご活躍と安定した実力は、存じ上げておりましたが、龍郷町の南重喜(しげき)さんの骨折りで彼女の録音が実現し、カセットテープを制作しました。
 どんな曲でも、安心して聴くことが出来る、安定した実力の持ち主ですが、この後、別の形でのお付き合いも始りました。それは、当原ミツヨさん元ちとせさん、福山幸司さん、森田照史(てるふみ)さんなどの録音の際、囃子を務めてくださったことです。
 
 後日、彼女のCD制作のための録音を行いましたが、我が社の録音スタジオへの参加が一番多い方だけあって、実に堂々としたものでした。

森山ユリ子 唄ぬ花や咲きゅりCD収録曲
朝花(あさばな)/俊良主(しゅんりょうしゅ)/黒だんど/こうき/らんかん橋/花染め
しゅんかね/芦花部(あしけぶ)一番/野茶坊(やちゃぼう)/行きゅんにゃ加那
長雲/うらとみ/太陽(てだ)ぬ落(う)てまぐれ/かんつめ/ヨイスラ
請けくま慢女(まんじょ)/今ぬ風雲/徳ぬさみだけ/晩酌(だるやめ)ぐゎ
上がれ日ぬはる加那/雨ぐるみ/嘉徳(かどく)なべ加那
(全22曲)

唄者・元ちとせさん 1

 【奄美民謡大賞】は、この年、瀬戸内町嘉徳に住む高校1年生の元ちとせさんを新人賞に選びました。ここ数年、同大会で大変気になる存在が彼女でした。確か中学から出場し始めたと記憶しています。この島唄コンクールは、かつて日本一を3人も輩出した全国大会への登竜門でした。バブル崩壊後、民謡で視聴率は取れないからという理由で日本テレビの「日本民謡大賞」という番組は姿を消してしまいましたが、それでも奄美一権威のある大会に変わりはありません。


続きは下記書籍「大人青年」よりどうぞ
大人青年


元ちとせ・15歳 ひぎゃ女童収録曲

朝花(あさばな)/俊良主(しゅんりょうしゅ)/くるだんど/曲りょ高頂
らんかん橋/雨黒(あまぐる)み/塩道(しゅみち)長浜/豊年節/子守唄
行きゅんにゃ加那/長雲/しゅんかね/よいすら
国直(くんにょり)よね/かんつめ/正月着物(しょうがちぎん)
ちょうきく女/むちゃ加那
(全18曲)

【追記】
 島唄と関わるようになってだいぶ経ちますが、嘉徳(かどく)なべ加那の里へ足を踏み入れたのは、つい最近のことです。そこは三方を山に囲まれた海に面する小さな村でした。人口50名にも満たないこんなささやかな集落からあのような少女が生まれてきた事には、なにか深い意味があるような気がします。なぜなら、彼女の時に限り録音の最中も、それが唄ではなく言霊(ことだま)のように感じられたからです。