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鹿児島での療養

 以前から体(肺)の調子が良くなかったので、思い切って鹿児島の国立療養所を頼って行きましたが、満室のため入所待ちとなりました。長期滞在するのは所持金も少なく、また不慣れな土地であったため、いっそ名瀬に戻り安静にしながら気長に治療を続けようかと気弱にもなりました。なにしろ当事の奄美は米軍支配下でしたので、県本土とはいえ、異国での療養ということで大変心細く感じられたのです。

 この時、診療所に勤務していた親戚の国山光信(くにやまみつのぶ)兄が、下宿探しに付き合ってくださり、下宿が決まるや、早速、次男・英造兄、6男・清秀、9男・良昭が訪ねて来てくれました。よもやま話に花が咲き、兄弟たちの心づくしに大いに励まされたものです。