この年の5月14日に、名瀬市塩浜の大島石油から旧・朝戸トンネル・和瀬トンネル経由、住用発電所という当時35.014kmのコースで最もガソリン消費量の少なかった参加者を表彰するというイベントを行ないました。
条件は、ホンダオートバイのスーパーカブと日本石油のコウモリガソリンを使用するという2点でした。
このイベントは、オートバイで参加する人たちのほかに、優勝者が何リットルのガソリンでゴールにたどり着くかを、一般の人たちにも当てていただくクイズもセットになっていました。当時の資料として、名瀬・古仁屋間の63.281Kmを、1.04リットルのガソリンで走ったことがヒントとして地元新聞に掲載されました。
優勝者は、龍郷村赤尾木の農業・積山春夫さんという方で、5000円の賞金と副賞を進呈いたしました。
5月15日 塩浜の大島石油前
《参考データ》
バイク歴5ヶ月・体重57Kg
消費燃料0.376リットル
2位・龍郷村大勝・金城徳重さん
3位・名瀬市・河内藤夫さんでした。
優勝者を出した整備賞に龍郷村大勝の東自転車店が選ばれました。
6月10日には、名瀬、大和村恩勝間23.6Kmの大和浜県道開通の祝賀遠乗り会を行い、島はオートバイ熱を帯びてゆきました。
10月には株式会社セントラル発動機を設立しました。
《追記》
前年の33年は、本田技研工業株式会社のオートバイ・スーパーカブが誕生した年でした。この機種の驚異的な燃費は、いまなお健在で、販売でも世界一のロングセラー車となっています。当時の資料で、このスーパーカブは、無風状態、完全舗装された道路を時速30キロで走行した場合、1リットルのガソリンで90kmを走ると謳われていました。
スーパーカブは、生産累計が昭和33年8月の発売から平成14年11月までの44年3ヶ月で3500万台を達成した驚異的なオートバイです。
写真は、当時のスーパーカブ C-100です。
《追記》
この万能型のビジネスバイクの名前の由来をご存知ですか?
本田さんはカブの漬物が好物で、奥さんは遠い市場までしょっちゅう自転車をこいで買い物に行ったそうです。
「この原付バイクが完成するとカブを買いに行くのが楽になるからナ。」
ということで【カブ号】と命名したのだそうです。
(写真左から)指宿良彦 本田宗一郎氏 西前氏
本田技研九州支店落成祝い